モデル活動と並行して、ファッションブランドでプレス業もこなす相川茉穂ちゃん。彼女がファッションやアートを楽しんでいる姿を見かけると、好きなものへの探究心やおしゃれの高揚感を思い起こさせてくれる。そんな茉穂ちゃんにfofofofaの新作ニットを着てもらいました。
—— 今日は茉穂ちゃんが勤務するプレスルームにおじゃましましたが、玄関のドアを開けて「PETAL mohair mix knit」を着た茉穂ちゃんが目の前に現れた時、ぱぁーっと視界が華やいだの。お花に出迎えてもらったような気分になりました!
えー! ほんとですか。
—— ほんとに! このニットの襟は花びらをイメージしていて、中心から放射状に広がるように設計してあるんです。でも人の体は円ではないので、襟のボリュームが身体に沿って綺麗に形作られるようにニットメーカーの方と試行錯誤したのだけど、茉穂ちゃんの着こなしを見て「完成した!」と思いました。花が無事咲いたなぁと。
襟の部分が後付けではなくて繋がっているのが可愛いなと思いました。紐の絞り具合で襟のゆらゆらしたニュアンスを調節できるので、形づくるのも楽しかったです。
—— 色合わせも、タートルネックとニットパンツいうアイテム選びも、全てに“あいあい”っぽさが溢れていて嬉しくなりました。茉穂ちゃんの色彩感覚やセンスにはいつもハッとさせられるなぁ。どういうものから影響を受けているの?
私の曾祖父と祖父が画家なので、幼い頃から見てきた絵の影響があるのかなと思います。
色の組み合わせとかテクスチャーが混ざっている作品に魅力を感じていて、憧れがあるんです。
—— ずっと好きなものや憧れているものがあるって素敵なことだね。
好きなものもそうだし、似合う似合わないはわかっている方だと思います。白とかは似合わないなって。パキッとした白ならいいけど。
—— このニットは2色作ったんだけど、茉穂ちゃんはこのブルーグレーが似合いそうだなと思って。
ブルー、好きです。青に合う黄色も好き。このタートルも、ずっと存在を忘れてたんだけど、ニットを見たときに「これだ!」って思い出して。デニムパンツとロゴの入ったTシャツを着るのもかわいいなって思ったんですけど、今日はタマゴ色を合わせました。
—— 透け感があるから、いろんな重ね方を楽しんでもらいたいなと思って作ったけど、黄色と合わせるの、ほんとに可愛い! 絶妙なタマゴ色がいいね。
—— 合わせているブーツはプレスを担当しているフランスのシューズブランド〈ADIEU〉ですね。どういう経緯でプレスをやることになったの?
〈ADIEU〉自体はインスタで知って、一緒にお仕事をしたいと思って私からデザイナーに直接メールしたのがきっかけです。その後、日本の営業の方とやりとりをしてプレスの仕事をやらせていただくことになりました。実は、〈ADIEU〉を知るまでは革靴はあまり履いたことがありませんでした。でも、〈ADIEU〉の靴はクレープソールのように程よいボリューム感があってクラシックすぎないデザインに惹かれました。
—— 〈ADIEU〉の靴を私も愛用しているけど、足元にボリュームがあるとコーディネートが安定するから重宝しています。プレス業は楽しいですか?
人と話すのが好きなので、すっごく楽しいです。プレスルームにいると靴を通じて色々な方と話ができるし、スタイリストさんに貸したアイテムがどう撮影されて、どんなページになったのかを雑誌で見て、毎回ときめいています。
—— ものづくりはもちろん楽しいけど、そのものの良さを伝えることも楽しいよね。好きが広がっていく感じ。話は変わりますが、茉穂ちゃんはどんな花が好きですか?
ケイトウ!(即答)。カタチが好きです。ふわふわしてて、黄色とかオレンジとか色んな色があって。
—— ケイトウはベルベットみたいな質感がかわいいよね。ドライにしても素敵だし。
あとは紫陽花も好きです。花びらは散っちゃうと悲しいので…。
—— なるほど。紫陽花もケイトウも、花びらがないから散らないものね…。それなら、「PETAL mohair mix knit」は茉穂ちゃんにぴったりなニットだ(笑)。このニットを着て、散らない花びらをたっぷり楽しんでもらえたら嬉しいな。
写真やアートなどのカルチャーから影響を受けたファッションセンスが雑誌やウェブメディアで注目される。現在はファッションブランドのプレスも務める。
イザベル・ゲドンとベンジャミン・キャロンの2人が2012年にパリで立ち上げたシューズブランド。トップメゾンで経験を積んだ2人のデザイナーが生み出すコレクションはクラシックでエレガントな要素にブリティッシュパンクやニューウェイブなど、カルチャー要素を組み合わせた独自のデザインが特徴。
photo & interview : Akiko Kikuchi
text : Yuka Nakano