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ブルージーンズ・MARIACHIができるまで part.2

JOURNAL.17TALK
MARIACHI

2025.07.24

ブルージーンズ・MARIACHIができるまで part.2

「いつかデニムアイテムを作ってみたいね。
産地の岡山で」
私たちの夢物語から始まった、
fofofofaのデニムプロジェクト。
できたてほやほやのブルージーンズは、岡山から、わたくし滝口和代の故郷・山形へ旅に出ました。向かった先は、山形県最上町でパッチワーク教室「やまぼうし」を主宰する東海林宏子さん。私のお義母さんです。

廃校になった学校の校長室をアトリエにしているお義母さん

一針一針、
楽しい気持ちが詰まった
MARIACHI

2人の子どもを育てながら銀行で働いていたお義母さんは、会社の休暇制度を利用して、年に一度、夫に育児を任せて、友人と旅行をするのが楽しみだったそう。


「長野・白馬村で泊まったペンションに、カテドラルウィンドウという名のパッチワークが飾って、その美しさに一瞬で魅了されたの。後日、本で調べてやってみたら、ちゃんとかたちになって、『私でもできるじゃない』って嬉しかったなあ」


その後、パッチワークや刺繍の技術を習得して、教室を開くほどに腕を磨いたお義母さん。今使用しているアトリエは、耳を澄ますと小国川のせせらぎと、木々の葉を撫でるような風の音が聴こえる、静かな場所です。そこでお義母さんは、鼻歌まじりに刺繍を施してくれました。陽気な音楽が聞こえてきそうな、チャーミングな刺繍がブルージーンズに色付けされていきます。


「刺繍やパッチワークは地味な作業だけど、コツコツ続ければ、いつかはできあがる。私はただただ、作ることが好きなのかも。この子、かわいらしく踊っているけど、おかっぱ頭でしょう? なんだか急に、昔の自分みたいにも思えてしまうね」


毎日せっせと、忙しなく働く私たちを、愉快に、楽しく、あたたかく応援してくれる「MARIACHI」。働き盛りの私たちにも、お母さんたちにも、それぞれの“がんばりどき”があった。手を動かして、自分らしく粛々と続けていくことで、少しずつ形になっていくものがある。その喜びを噛みしめながら、今日も「MARIACHI」とともに。


photo:Takahiro Otsuji(look)
text:Kazuyo Takiguchi
edit:Yuka Nakano